短期間に英語の成績を40点から120点へ(その3)
「家庭教師失格!」からの逆転勝利
■復活。そして、最後の戦い!
しばらくして、隼人君に塾のことを聞いてみました。本音かどうかはわかりませんが、
「塾よりも私の家庭教師の方が身につくような気がする。」
というようになってくれたのです。
また、お母さんも
「主人は、先生を代えたり、塾に行かせたりしていますが、私は多分隼人がやり足らないだけだと思うんです。隼人は勉強しているように言っていますが、私にはまだ余裕があるように思えてならないんです。この前も勉強しているかなと思って見に行くと、10時ごろには寝ていましたもの・・・・。」
そして、とうとう12月に中旬になり、お母さんが川田さんと話をしたそうです。
お母さんとしては、
塾よりも「私の家庭教師」の方が効果があると思うこと。
成績が上がらないのは、本人の勉強不足
ということ。お母さんは自分が勉強してきたので、成績が上がらない理由をわかっていらっしゃったようです。
そして、あるとき、また電話がかかってきたのです。
お母さん「先生、塾の方から冬期講習の申込があったのですが、どうしたらいいでしょう。」
私 「それは、冬期講習に行かれたらいいと思いますよ。」
お母さん「ですが、私は、隼人が冬期講習で皆でやっても成績が上がると思わないんです。それでしたら、先生に御まかせした方が子供のためにもいいかなと思いまして。」
私 「そうですか。一度お父さんとお話していただいたら・・・。」
お母さん「はい。多分お願いする事になると思いますので、よろしくお願いします。」
私としては、正直複雑な気持ちでした。これですべて関わると多分、私の性格から、さらに採算を度外してして、指導にのめり込んでいくと思ったからです。
それからしばらくして、また川田さんと話す機会があり、
川田さん「堀さん、冬期講習の件家内から聞きました。堀さんどうか受けてもらえませんか。」
私 「はい。ですが今の隼人君のままでは成績は上がりませんよ。」
川田さん「どうか、そこを何とか。」
私 「うーん。」
川田さん「受験までもう少しなので、お願いします。」
(とご夫婦で頭を下げる)
私 「わかりました。受けましょう。その代わり容赦はしませんよ。こうなったら、川田さんと心中です。覚悟してください。」
川田さん「はい。お願いします。私も心中します(笑)」
私 「これからは、週3日で、土日も来ますよ。」
川田さん「はい。お願いします。」
ここからが本当の戦いでした。志望校は決まっていましたが、志望校の配点は、隼人君の得意の数学の配点が低く、どちらかというと苦手な英語の配点が高いので、今度は英語中心の授業に切り換えました。
志望校の過去の問題を1年分解いてみると、配点の高い英語が、
なんと、 40点/200点満点中
百点満点でいうと「たったの20点」
です。正直いって、「腹はくくっていた」ものの私も真っ青です。本当に急激に成績を上げないと川田さんと心中です。(苦笑)
早速時間配分を考えました。今でも思いますが、当時は結構な量をやったと思います。
当時の家庭教師の時間を見てみますと、
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火曜日 午後7時30分から、午前2時まで
木曜日 午後7時30分から、午前2時まで
土曜日 学校が終ってから、午前0時まで
(午前中の授業があれば、午後1時から、なければ、午前9時から)
日曜日 午前9時から、午前0時まで
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冬休みの間は、1月1日を除く毎日、午前9時から午前0時まで、昼と夜の食事時間の1時間を除くとずっと勉強です。しかも、本当であれば延長した分いただくのですが、このときばかりは無料で、まさに「ボランティア」といったところです。
冬休みが終ってもハードスケジュールは続きます。この頃になると私もフラフラです。というのは、私は開業資金を貯めるために、昼間も、朝8時30分から、夕方5時30分まで、工場で肉体労働のアルバイトをしていましたから・・・。週4日以上が睡眠時間3時間と、夜の家庭教師の睡眠不足と肉体労働です。
1度こんなこともありました。私が「うとうと」居眠り運転をしていて、赤信号に気づかず、突っ込んでいってしまい危うく、人をはねそうになってしまったのです。これには、一瞬私も「ひゃっ」としてしまいました。これで、私はこの状態が続くとまずいと思い、とうとう昼間のアルバイトを辞め「川田さん」の指導に絞ることにしました。
■この方法で短期間で成績アップ40点が120点アップに
以前に著名な経営コンサルタントの書籍の中に
「上等なコツ」
というようなことがあったと思います。要約しますと、上等なコツは
「非常にシンプル」で
「誰にでも出来る」
ということなのだそうです。
成績を上げるコツも至ってシンプルです。「成績アップの理論」でも書いていますが、
・出来るところ、出来ないところをはっきりさせる
・その出来ないところを徹底的になくしていく
ただ、これだけなのです。これで、出来ないところ人によってバラバラですから、人によって、鍛える項目も違うので、各個人合わせてプログラムしていくのです。
私は、隼人君のために、今ある問題集(5冊)に3冊問題集を購入し彼の弱点を徹底的に潰す事にしました。
まずは、志望校の入試分析をしたところ、英語については、
長文読解、文法、イデオム、英単語と
標準的な問題がバランスよく出題されていましたが、特に文法問題は取れそうに思いました。
それで、私は、家庭教師にお伺いした日にはまずは、文法のテストです。そして、採点して、弱いところをチェックして、それについて説明です。ここで大切なのは、やったことを常に確認していく事です。ある、ベテラン塾長が言っていました。
「成績を上げるコツは徹底してテストをすること。」
実際に「テスト」つまり、やったことを【確認】することが大切なのです。「テスト」と聞くと大抵の生徒は、いやな顔をしますが、各家庭で勉強していてもわざわざ「テスト」としなくても、【確認】はできるのです。
簡単に流れを書きますと、
TEST→説明(学習)→トレーニング
という具合です。
家庭でも常に暗記をしたら、実際に憶えているか「テスト」。本を読んでも内容を理解しているか問題集を使って「テスト」をするということです。
私の場合は、ちょっと変わった確認をしていました。私の説明のあと、生徒が「わかった。」というと必ず、逆家庭教師をしてもらうのです。つまり、私が生徒に逆に教えてもらうのです。
具体的にはこういった感じです。
私 「隼人君。隼人君に席の近くで、隼人君が仲良くて、隼人君より成績の悪い子いる?」
隼人君「いるよ。」
私 「どんな名前。」
隼人君「慎也君かな。」
私 「じゃ、慎也君が隼人君にわからないことを聞きに来たとして、説明してね。」
隼人君「えっ。出来ないよ。僕教えるの下手だもん。」
私 「大丈夫でよ。教えるのが下手でも。ようはプロじゃないんだから、隼人君がわかっているかどうかわかればいいんだんから・・・。」
隼人君「うん。それじゃ『現在分詞』というのは・・・。」
という具合です。これは、私がサラリーマン時代に経営コンサルタントをしていたとき気づかせていただいたことです。当時は「不用意の用意」という言葉で言われていました。当時の会社は、新人でも容赦なく、仕事が来ました。しかも、いきなりです(笑)
「えっーそれでは、続きは私共の堀(私の名前)が担当させていだきます。」
という具合です。準備をしていなくても、こちらはいつも戦闘体制です(笑)
「私だったらこういう風に説明する。」
「この意味はどんな意味」
と常に考えていないとだめなのです。人から教わるというのはどうしても受身になってしまうのですが、これを後ほど「他人に教える」ということがあると自主的に聞かないとだめになってしまうのです。ですから、ウカウカ聞いてはいられない。最後の方には、講師の方の「ギャグ」までメモをするようになりました。
この効果はテキメンです。生徒は私の説明を「ぼんやり」聞くことはないのですから・・・・。(笑)
こうして、確認が終ってから、それから問題集です。例えば「現在分詞」なら各問題集の「現在分詞」のところを徹底的に7冊の問題集をやってもらいます。
それでも、出来ていないところは、私が隼人君に合わせて、弱い箇所をなくすために、手書きで問題を作ります、まさに、オリジナルの問題を隼人君の問題集の結果を見ながら作っていくのです。それを終日続けていきます。
1日目 Be動詞
2日目 現在進行形
3日目 現在完了形
4日目 過去分詞/受動態
といった感じです。その他にも熟語も毎日マスターしてもらいした。長文も簡単なものから読んでもらうようにしました。
■波に乗る隼人君、しかし、不安■
1つ1つずつ課題をこなしていく隼人君の勉強時間はどんどん増えていきましたが、それ以上に顔にも「充実感」と「自信」がでてきました。しかし、不安もあったようです。
私 「どうしたの。元気ないね。」
隼人君「先生昨日、夢を見たよ。」
私 「どんな夢?」
隼人君「入試に落ちた夢。」
私 「それは良かった。」
隼人君「えっ。どうして?」
私 「夢占いで、そういうのを逆夢(さかゆめ)っていうんだよ。」
隼人君「逆夢って?」
私 「夢見た事と反対のことが起こる事なんだよ。」
隼人君「へっ。そうなんですか。」
私 「そう。私も大学受験のときギリギリで丁度12月に試験に落ちた夢を見たけれど、通ったよ。」
隼人君「うそ。よかった。じゃ僕も通るかな?」
私 「通るよ。だから、気にせずがんばれ。」
隼人君「うん。」
この時期にくると大抵は生徒もやる気があり、勉強の内容的には問題ないのですがどちらかというと精神的ケアの方が大事なのです。これは、受験生に限らず、コンサルタントをしていたときもそうでした。
調子に乗って浮き足だっているとき
>>>「このままだと落ちるよ」と脅す
成績が落ち込んでがっくりしている時
>>>「大丈夫。がんばれ。」と励ます
という具合に相手の精神状態によって対応をかえて、変に浮き足出さず、また落ち込まないように「心のケア」に重点をおいた指導に変わっていきます。
また、先ほどの夢の話にも実はオチがあって、
生徒 「落ちた夢を見た。」
私 「それは、よかったそれは逆夢っていうんだよ。」
逆に
生徒 「通った夢を見た。」
私 「それは、よかったそれは正夢っていうだよ。」
(つまり、見た夢の通りになるということ)
とどちらの夢を見ても励ますことにしています(笑)。この時期はいかに生徒に余計なことを考えず、集中して勉強してもらうことを第一に考えますから、教える方も指導の前には、エネルギーを120%充電してからいかないと、生徒が否定的な気持ちでいると、こちらも否定的な気持ちに引きずられるので、気をつけなければいけません。
■結果が出始めた。そして、一気に爆発!!!■
正月も1月1日を除いて、ずっと、1日12時間以上の勉強が続きました。隼人君の方も間違いも少なくなり、間違っていても、質問が的を得た質問に変わってきました。そして、入試まで、2週間となり、残っていた過去の問題もやってみることにしました。内心このままではと冷や冷やしながら解いてもらったところ、なんと英語は
「120点」
です。入試の合格ラインが問題の6割といわれていたで、ギリギリセーフです。というよりも、前回が「40点」だったのが、「120点」だったので、確実に実力はついています。一気に実力はアップです。これは他の過去の問題を何年分間か解いてもらっても、ほぼ、110点から、130点の間になっているので、まちがいはない。そして、何より本人が「英語はわかるようになった。」ということでした。
入試が近づいてくるとお互いに緊張は高まりました。それに、学科試験の他にもうひとつ、面接が残されていたのも隼人君にとっては不安のタネでした。性格が、真面目過ぎるのもありますが、何か面接自体が苦手なようでした。
入試が近づいてくるにつれて、面接の練習も積むようになりました。一応私は、サラリーマンをしていたときに人事の仕事で採用もやっていたので、隼人君の面接練習も指導することにしました。隼人君が受験するところ
は大学のOA入試などと違って、選抜する面接ではないので、
・合格しても3年間やっていけるか
・受験校の生徒としてふさわしいか
だけを見るものだけなので、それほど気にする必要はなかったのですが、本人があまりに気にするので、2日間面接の練習をしました。
試験前日。私は通常生徒には、余計なプレッシャーを与えたくないので、
「頑張らなくていいよ。実力通りでいけば通るから、普通通り。 ただ、名前と受験番号だけは忘れないでね。」
という電話を入れます。実際に私の受験生で公立高校を受験する時にインフルエンザになってしまい、38度の熱で受験した生徒もいました。そんなときも前日の日に電話したとき、
生徒 「(泣きながら)先生、私ダメだ。落ちちゃうよ。」
私 「大丈夫だよ。」
生徒「ダメだよ。」
私 「ううん。大丈夫。不合格では何人落ちるの?」
生徒 「51人。」
私 「じゃ。下から52番を目指せばいいでしょ。」
生徒 「・・・・」
私 「ビリで合格していいんだからね。」
生徒「(泣きながら)うん。じゃ、私下から52番を目指して頑張る。」
と励ました生徒もいました。合格後、その生徒が、
「あの電話で気分が楽になった。」
といっていましたが、生徒は必要以上にプレッシャーを与える必要なく、実力を発揮することだけを考えてアドバイスする必要があるのです。
■入試当日そして、発表
そして、当日。9時からスタート。隼人君は会場に。そして、私は1日中そわそわ(笑)。入試前日までは、私の力が役に立ちますが、あとは、「神のみぞ知る」です。
いくらテスト前の模試で「判定がオールA(合格率90%)」でも、不合格になる生徒がいるのですから、本当に発表まではわかりません。
入試が終って川田さんのところに電話をして本人に出来を確認してみると、
「うーん。難しかった。実力は発揮できたけれど、通るかどうかはわからない。」
ということでした。こうなると私も発表日まで心配(笑)。今更じたばたしても同じなのはわかっているのですが・・・・。
試験結果発表当日。この日は「そわそわ」というより、1日中「いらいら」です。結果を早く知りたいのですが、生徒からは中々電話はかかってきません。
そして、結果発表
「合格」
正直言って家庭教師の場合は、「やった!」という気持ちは1度もありません。「ほっ。」としたいうのが正直です。
今回の体験、私が塾を開くための大きなヒントに繋がったのです。そして、何より私の原動力になったのが、次の隼人君の言葉です。
彼は、高校に合格してから、既に大学に通っていますが、あるとき大学生のときに川田さんに電話したとき、こんなことを言っていました。
「僕は、塾にいったり、家庭教師の先生にきてもらったり、教材を買ってもらったりして、成績が上がらないのは、他のせいばかりだと思っていた。でも、 結局は、『成績は上がるのではなく、上げるのだ。努力の方向性が正しくて、努力すれば上げることは出来る』ということを先生に教えてもらった。そして、『僕もやれば出来るんだ』ということを気づかせてもら った。今の大学生の僕がいるのも本当に堀先生のお蔭です。」
と。
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