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短期間に英語の成績を40点から120点へ(その1)

「家庭教師失格!」からの逆転勝利

それは、突然やってきた。

当時私は、家庭教師の派遣の仕事をやっていました。派遣の仕事とは、家庭教師を必要としているご家庭に「家庭教師を紹介」するわけですか、生徒の性格を見ながら、ピッタリな学生の家庭教師を紹介するというのです。
 
(しかし、これが中々難しい。家庭教師は学生が多いので、やはり、アルバイト感覚の人も多いです。)

  それでも、中々相性の合わない場合は、先生を交代させたりするのです。が、特に受験生持つご家庭では、先生が頻繁に交代するのを嫌がるものなのです。もちろん、先生と生徒がお互いに理解し合うまでにも時間がかかるので、当然と言えば、当然なのですが・・・。

  以前に私が紹介した当時中学3年生の川田君(仮名)のお父さんから、突然の電話がかかってきたです。

  「堀さん、ちょっと来てくれませんか!」

 大抵、こういう電話のときには、クレームと相場が決まっています(笑)。今だかって

  「堀さん、成績が上がりましたよ。」

 という電話を受けたことがないのですから・・・。(苦笑)私は、まさに、その川田さんの自宅に飛んで行ったのです。私としては、その男の生徒さんには、当時その地域で一番人気の女性の学生さんを紹介していたので、「まあ、大丈夫だろう。」ということで、タカをくくっていたこともあったのですが・・・・。

  (川田さん宅の応接室で)
 
  川田さん「堀さんどうしてですか。どうしてあんな先生を紹介したんですか?」
 
  私    「何か、先生がしましたか。教え方が悪いとか?」
 
  川田さん「いえいえ。教え方とは丁寧ですし、うちの息子も気に入っていますよ。性格もいいですし。」

  私    「それでは?何か?」

  川田さん「本当に知らないんですが?」

  私    「はい。」

  川田さん「先生が留学するんですよ。」

  私    「えっーーー。」

 正直に言って、「寝耳に水」ということはこのことです。実際に紹介者の私には、連絡がなくて、担当の家庭教師の先生の判断で、ご両親に「留学すること」を勝手に話してしまったようです。


もし、私が家庭教師を受け持ってもらう場合、特に、中2の後半から生徒の場合はなるべく、同じ先生で見てもらう方がいいので、担当してみらう家庭教師には「受験生ですので、必ず最後まで教えるつもりで家庭教師を受けてくださいね。」と念押しをしているのでした。もちろん、その先生には、確認を取っていましたし、何人も生徒を受け持ってもらっているので、安心しきっていたのです。(これだから、学生の家庭教師はこわい。)

川田さん「堀さんも知らなかったんですか?」

私    「はい。全然聞いていませんでした。特に中3生を受け持つ場合にはずっと続けら
れる先生を紹介していますし、当然途中で交代する可能性のある場合は、親御さんに確認をしてから、紹介しています。」

川田さん「ですよね。私も正直あなたが、知っていて紹介したのかと思って非常に腹が立ったのです。そうでしたか。あなたも知らなかったのですか。」

私    「はい。」

川田さん「一体どうなっているんですかね。最近の学生は。全然責任感がない。」
 
私    「すみません。」
 
川田さん「それでは、次の先生を探して頂けるんですね。」

私    「はい。今の先生が留学する少し前には、ご紹介できると思います。」
 
川田さん「それでは、よろしくお願いします。」

私は早速担当していた、原田先生(仮名)に会って、直接話を聞くことにしました。

私    「原田先生、今度留学されるのですか?」

原田先生「はい。川田さんから聞きました?」

私     「どうして、私に先に連絡くれなかったんですか?」

原田先生「すみません。つい、お母さんとお話してて、口を滑らせてしまったので」

私     「それで、留学することがわかったのはいつですか?」

原田先生「1ヶ月ほど前です。」

私     「いや。そういうことはないでしょう。ある程度はカリキュラムがあるのので、そういった留学の可能性が以前からあったのではないですか。」

原田先生「ええ。」

私    「それはいつですか?」

原田先生「1年ほど前から・・・。」

私    「えっ。それじゃ川田さんを紹介するときから、その可能性があったんじゃないですか。どうして、言ってくれないんですか。」

原田先生「(ちょっとすねた感じで)だって、そんなこと言ったら、生徒を紹介してもらえなくなるもん。」
 
これでとうとう別の先生を探すことになったのです。


そして、私に回ってきた

 結局、繋ぎとして代わりに別の女性の先生が家庭教師として行くことになりました。夏休みの間は、その先生が週2回各2時間ずつです。ご家庭の要望があれば、時間を追加してもOKということでした。先生もやさしい感じで、特に悪い感じではなかったのですが・・・・。

8月になり、夏休みももう終ろうとしたとき、川田さんの家からまた電話がかかってきました。

川田さん「堀さん。ちょっとお話したい事があるのですが、ちょっと来てもらえませんか?」

先ほども書きましたが、こういう場合は、もちろんクレームです(笑)しかし、今回は私の事情も変わっていました。実は私は、当時いた派遣会社を既に辞めていたのです。

私は、自分自身で塾を開業する準備を進めていたので、本格的に準備をしようと思ってそれに専念するつもりでした。ですから、本当のことを言えば、川田さんのお宅にお伺いする理由もなかったのですが、私がはじめて見つけてきたお客様ということで愛着があり、再度お伺いすることになりました。

    「川田さんどうされました。また、先生に問題がありましたか。」

川田さん「いや。実は、今の先生は悪くはないんだけれど、優しすぎるので、ちょっと子供には合わないと思うんですよ。」

    「そうですか。それでは、会社に言って先生を交代してもらってはどうですか?」

川田さん「はい。それも考えたんですよ。でも、交代して来た新しい先生がうちの隼人と合えばいいのですが、合わなかったらまた、交代したりして、また、探してもらって、時間ばかりが過ぎていく。それならば、うちのことをよく知っていて、経験が豊富な堀さんにお願いしたらと家内とも話をしたんですよ。」 

    「私がですか・・・。」

川田さん「はい。」

    「ですが、私は会社を辞めていますからね。」

川田さん「もう会社を辞めたあなたにはこんなことをお願いするのもあれなんですが、どうかよろしくお願いします。」
      (といって、ご夫婦ともども頭を深深と頭を下げる。)

(仕方なく)
    「はい。ですが家内とも相談しないといけないので、2、3日中にはご連絡させていただきます。」

川田さん「はい。よろしくお願いします。」


■そして、戦いが始まった■

  家に帰って家内と相談すると、「好きにすればいい。」ということでした。これで、家庭的には問題はなかったのですが、私には一抹の不安がありました。それは、

・相手のご家庭の希望が大きすぎる。
・キーマンのお父さんが勉強についてあまり知らない


ということでした。別の「タイプ別ご父兄」でも書きましたが、私の経験上、「クレーム」の多い家庭は、決まって、

・ご父兄自身が勉強について知らない
・塾・家庭教師に対する過大評価がある
・子供の能力に対する過信がある


という特徴が多いのです。私は「大丈夫かな」と思いましたが、乗りかかった船ということで、結局は、引きうけることになりました。時給はなぜだか、

1時間2100円(安すぎる!学生の家庭教師並)

でした。当時は私もあまり、お金には無頓着だった(というより、この生徒を通す事しか頭になかったので、考えていなかったです。これも失敗でしたが・・・・苦笑)のでそれで、決定ということでお請けすることにしました。

そして、いよいよ「家庭教師」がスタートしたのでした。

ここでは、スタートが非常に肝心なのです。なぜか?

これは、「先生」という職業は、まず相手から「先生」と言ってもらうには「信頼」されることが大切ということが大きいのです。1度信頼されると多少のミスをしても許されるのですが、「信頼」されるまでは全力で「信頼」を勝ち得ないとだめなのです。特に、「クレーム」の多いところは、一旦信頼を得ると長く続くので余計にそうなのです。

信頼とはつまり、

「信頼」=「結果」

なのです。最初の頃は、生徒も、親御さんも

「この人で大丈夫かな。この人のいう通りやって成果が上がるのかな?」

と疑いの目を持って取り組んでいます。それで、結果が出ると、

(結果は「成績」ということもありますが、生徒が「わかるようになった」ということでもいいです。ただ、急ぐ場合には。「成績」で出さないと信頼を得られません。)

「ああ、先生で良かった。」

と安心してもらうのです。ですが、こういった短期でしかも、うるさ型のご家庭は、ここからが本当の大変さが始まるのです。
                       


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